営業パーソンが本当に学ばなければいけない6つの要諦

何を学習すれば営業成績が伸びるのか?




※このブログに書かれている内容は基本的に、BtoC(個人宅への訪問での即決営業)をベースとした内容となっております。

まず始めに6つの要諦をここに記します。

  1. 準備
  2. 第一印象
  3. アプローチ
  4. ターゲット
  5. 商品説明
  6. クロージング

以上が、営業パーソンが学ばなければいけない6つの要諦となります。
どれも簡単な内容で、わざわざ学ぶ必要もないように感じられますね。

このブログではこれらの単純な内容を奥深くまで掘り下げて解説して、読んでくださっているかたの意識を変革して実行に移して、今までより更に営業成績を向上していただけるように、具体的にどのように行動して成果に結びつけるのかというところまで綴っております。

ですのでわりと長文になりますので、これらの項目に興味のないかたは、営業テクニックや裏技が列挙してるような書籍などを参照されたほうが良いかもしれません。

ではまずは、この6つの要諦とは何なのかというところからお話ししていこうと思います。

6つの要諦とは何なのか?
販売している商品やサービスによって売り方は様々ですが、どの商品やサービスを販売するにしても共通している普遍的で重要な部分を、今まではぼんやりと、なんとなくそうかなという程度に感じていた概念的なことを、明確に定義し文章にすることによって、
習得→実行していただけるように、分かりやすく具体的にまとめたものです。

営業経験のあるかたであればこの6つの要諦のそれぞれの題名だけ見たら、当たり前のことだと思われるでしょうが、それぞれの内容をじっくりとお読み頂くことによって、当たり前のことの再確認にもなりますし新たな発見も得られるのではないかと思います。

なぜ6つの要諦を学ばなければいけないのか?
こんなやり方をすると100%良い結果がでますよということのない営業職では、昨日うまくいったテクニックを今日またやったからといって、昨日と同じように今日も良い結果になるとは限りません。

なぜ完璧といえる答えがないかと言えば、最終的に契約書にサインをするという判断をくだすのが自分ではなく、相手(お客様)だからです。
相手は機械ではないので「1+1の答えはなんですか?」と質問しても、必ず100%全員が「2です」と答えてくださるわけではありません。
相手も感情をもった人間ですから、その日の気分や体調、今現在の状況によっては考え方も行動も多少の変化があるものです。

相手がこちらの商品やサービスに興味関心がありその上でこちらが完璧な営業パフォーマンスをしたとしても、相手が他にかな重要な心配事があって上の空で営業マンの話しを聞いていたなら、結果、不成約になる可能性も十分にあるのです。

6つの要諦を学ぶとどうなるのか?
6つの要諦は営業における哲学のようなものなので、これを習得できると思うように結果が出ない時やどのように考えてどのように行動したら良いのか判断がつかない時に、その問題解決の手助けとなります。

6つの要諦の内容やこのブログで記載されていることは特に難しいわけではないので、なんとなく頭でイメージできると思います。

では6つの要諦の説明に入る前に、まずは前提事項のお話しを致いたします。
6つの要諦を学習する前に、
営業職で結果を出す為ためには方程式が有るということを知っておいてください。


営業の方程式
営業における方程式は次のとおりです。
『 行動 × 気持ち × 確率(相手+自分)』


行動

ひとつめの『行動』が、1番営業成績に直結します。
どんなに優秀な営業マンでも自宅に閉じこもり一切誰ともコンタクトを取らなければ、基本的には契約は0件です。
逆に、どんなに営業力のない営業マンが誰よりも多く行動すれば、優秀な営業マンに結果で勝てる可能性が出てきます。

このように単純ですが『行動』というのは、1番営業成績に直結的に影響をあたえるのです。

モチベーションが上がらないと行動できないという営業パーソンもいらっしゃると思いますが、モチベーションというのは上げようと思って上げるものではなく、行動しているうちに勝手に上がっていくものなのです。

気持ち
気持ちというのは「絶対に契約書にサインをしてもらう!」という、強い願望の事です。
なぜこの願望が必要かと言いますと、この願望が弱ければ弱いほどすぐに諦めてしまいます。

今日は調子が良くないからと諦める。
今日のお客様は良くないからと諦める。
これ以上ねばると相手に失礼だと諦める。

私も含めて人間は心が強い人ばかりではありませんから、何か壁にぶつかってしまうと無意識に何か理由をつけて諦めてしまい楽なほうへ流れてしまうという心の弱い部分を、誰しもが多少なりとも持っているのではないかと思います。

その時に、この強い願望をもっていなければなりません。

確率
営業ではこの確率の部分で不測の事態がおきたりしますので、確率のことをよく理解しておくと冷静に目の前の事象を捉えられるようになると思います。

確率というのは2つに分かれます。

ひとつめは[相手(お客様)の確率]です。
相手にニーズがあるのか、ニーズに対して今すぐに解決したいと思っているのか、解決策を購入するだけの経済的な余裕があるのかなどです。
この相手の確率というのは、営業マンではどうすることもできない理由などの部分をさしています。
極端な例ですが、お客様がものすごく購入したいと思っていても水道が止まるほどに経済的に厳しい状況であれば、それは営業マンにはどうすることもできませんよね。

この営業マンではどうすることもできない部分を、どうにかしようとすること自体が間違っているのです。
これをどうにかしようとすればするほど、営業マンのメンタルは疲弊していきます。
営業マンがどうすることもできないお客様の都合は、営業マンにはどうしようも無いということだけ覚えておいてください。

ということで、
重要なのは[自分の確率(営業マンがどうにかできる確率)]の部分をどうにかしていくことです。

6つの要諦とは
[自分の確率]を高めていく為に必要な要素なのです。

この自分でどうにかできる部分を向上させていくことで、成約率が上がっていくわけです。
自分でどうにかできる部分は6つに分かれますので、それぞれの要諦を学習していけるのがこのブログとなっております。

それでは、それぞれのページへ移動して頂いて、詳しい内容を読み進めてください。

1回目はぼんやりと読みながらでも、なんとなくイメージができればオッケーです。
2回目は理解しようと頑張って読んでみてください。

あとは行動です。
行動しながら振り返りにこのブログを定期的に見返して頂くと着実に実力が身についていくはずです。


営業パーソンが学ぶべき6つの要諦
  1. 準備
  2. 第一印象
  3. アプローチ
  4. ターゲット
  5. 商品説明
  6. クロージング




営業ランキング

決定率を極大値にする

第六の要諦: 『クロージング』



営業プロセスの最後はクロージングです。
(※ここでのクロージングの定義は、「相手に契約書にサインをさせる」為に行う作業の事を指しています)
クロージングはそんなに難しくないです。なぜかというとこの時点では、もう申し込むかどうかは大体決まっているからです。
ですので、大事な事は取りこぼさないという事です。

( 前の要諦:『商品説明』


クロージングの前提としまして、即決(後日返事などではなく、その場で契約書にサインをもらう)を心がけて下さい。

ただ、後日返事にしたほうが良い場合も稀にありますが、その判断は難しいですし、後日返事にしたほうが良い場合というのは殆ど無いので、やはり常に即決するという事を心がけるべきです。

それでは、

クロージングのやり方についてですがクロージングは前半と後半に分かれます。
  • 前半… 既存客の感想。
  • 後半… 契約書にサインをさせる。

前半… 既存客の感想

まずは既存客の感想ですが、ここまで順調に商談が進んで来ていれば後はどうやって相手の背中を押してあげるかだけです。お客様の背中を押す為に既存客の感想が有効的です。前の要諦の『商品説明』でも、相手に購入後に使っている良いイメージをさせましたが、更に実際使っているお客様がどの様に言っているかを伝えてより購入後のイメージを鮮明なものにさせます。
「購入後はこんな風に使っています」「こんな良い思いをしていますよ」というような事を、実際に既存のお客様が喋っていたフレーズを使って相手に伝えます。

その為にも実際に既存のお客様の声が必要なので、それを集めておかなければなりません。会社に既存客の感想を集めてもらうように要望をしても良いでしょうし、簡単に既存客の声を集めたければ上司や先輩などから教えてもらうのも良いでしょう。それでも既存客の声を集められないのであれば、ご自分で想像して概ねこうであろうというストーリーを考えるのもひとつです。ただ、ご自分で作ったストーリーは、信憑性がかなり薄いストーリーが出来上がる事が多いのでその点に注意して下さい。


ちなみに既存客の感想は、「良い事だけ」を集めて下さい。販売しようとしている商品やサービスを使って「悪かった事」は、クロージングで使う既存客の感想を集める時に関しては、耳を傾けないようにしたほうが良いです。とにかく「使って良かった事」「喜びの感想」などを集めて下さい。

集まった喜びの感想の中から2つほど特に良い感想を選び、それを商談のクロージングで活用します。

では、実際にクロージングで「既存客の感想」を伝える場面ですが、実際に既存客が喋っているかのように声や表情に気持ちを込めて、目の前の相手に伝えて下さい。

ここで既存客の感想を小さな声で自信無く伝えてしまうと、せっかく事実を伝えているのに、「本当にそんな事有るの?」と相手に疑問を持たれてしまいます。相手に信じてもらえなければ意味が無いのです。営業マンの喋り方で、相手にどのように伝わり感じてもらえるかは大きく変わりますので、この事も良く分かっておいて下さい。


後半… 契約書にサインをさせる

ここまで商談が来たので有れば、後はもう契約書にサインをさせるだけです。ここを終わらせる事までが営業マンの商談での仕事となります。中途半端に終わらせてはいけません。

契約書にサインをさせる時に意識しなければいけない事は次の通りです。

  • 即決する決意
  • 熱意
  • 当たり前に
それぞれについて解説致します。


■ 即決する決意

先ほどでも述べましたが、クロージングでは即決が基本です。なぜ即決なのかというと、後日返事などにしてしまうと契約の確立がかなり下がってしまうからです。
商談から日数が経てば経つほど商品やサービスの良さや必要性の事はお客様の記憶から薄れていき、お金を使うという罪悪感が勝っていき、もう目の前には契約を促す営業マンはいませんから最終的にお客様はお金を使わないという事を正当化します。
その場で契約するという事は、お客様の熱(欲しいという思い)が一番高まっていますので契約の決定率が一番高いですし、契約書にサインをしてしまえば今度はお客様は契約した事を正当化しようという思考になっていきます。

以上の事から即決で契約するという事が、決定率を極大化する為に絶対不可欠なわけです。

ただ、即決させるというのは中には簡単にできる営業マンもいらっしゃいますが、営業初心者のかたで有れば尚更ですが、しようと思って簡単にできる事ではないんです。
だからこそ即決から逃げない為にも「必ず即決で!」という強い決意が必要なんです。即決を迫れるかどうかは、営業マンの気持ち次第という時が殆どです。「即決を迫るか」「即決から逃げるか」は自分自身の意思で決めているのです。どんなに相手が決断を先送りにしようとしてきても、営業マンは「この場で白黒つける」という強い意志を貫き通さなければいけません。
絶対に即決をすると決断をしたほうが、営業マンのメリットも大きいのです。


■ 熱意
ではどのようにして即決を迫るかという事ですが、基本的な考え方は「相手の為に」です。当然の事ですが、営業マンはお客様の為に商品やサービスをお勧めしなければいけません。営業マンが得をする為に契約をしようと思うお客様は、いらっしゃらないというのは言うまでもありませんが。

「この商品はどのように役に立つのか」「お客様や、お客様の家族の生活がどのように良くなるのか」などを、全神経を集中させて熱心にお客様に訴えかけるのです。
この熱意がお客様の心を動かし、契約をしようという踏ん切りをつけさせます。営業マンの熱い心が、お客様の心を熱くさせます。

これができるようになりますと、即決で契約する事が苦ではなくなると思います。


■ 当たり前に
お客様の踏ん切りがついたのであれば、後は契約書にサインをしてもらうだけです。契約書にサインをしてもらうだけなのですが、ここで失敗してしまうと全てが水の泡となって台無しになってしまう可能性が有ります。

失敗というのは、お客様に警戒をさせてしまう事です。営業マンがオドオドしたり、逆に浮かれてしまったり。このような態度を見せてしまうと注意深いお客様は「本当に契約しても大丈夫なのだろうか?」などと、ここで思ってしまいます。もしお客様がこう考えてしまったら、更にマイナスな方向にどんどん思考がめぐっていきます。こうなってしまっては後の祭りです。ここからの挽回は至難の業なので、是非ともここまで来てお客様を警戒させるような事は絶対避けましょう。

その為に「当たり前に」振る舞うという行為が必要になります。平常心で当たり前に振る舞い、契約書を机の上に置き、お客様の手元に向けてボールペンを差し出します。ボールペンをお渡したら、軽く一言「それではこちらへ」と言いながら契約書の名前を記入する欄に向けて、こちらの手の先を指し示します。

以上が即決営業です。


番外編
ちなみに営業マンで困っているかたが多い、お客様の決断先延ばしの文句で「家族に相談します」についての対処法を付け加えておきます。
これを言われても、すんなり受け入れるのはNGです。

ではどうすれば良いのかと言いますと、
①「本当なのか?」→②「あなたはどうなのか?」という2つを確認して下さい。

①を確認する為に、「例えばですが、本日、奥様(目の前の人の事)がお申し込みをしたとしたら、他のご家族様からの反対はございますでしょうか?」というような質問をして下さい。誰も反対するご家族がいらっしゃらないようで有れば、そのまま即決をする事ができす。

②を確認する為に、「ご家族様の事は一旦おいておきまして、奥様(目の前の人の事)としてはこちらの商品をご購入しても良いかなと思われますでしょうか?」などと質問します。ここでやる事は、とにかく今商談している目の前の人がどう思っているのかをまず聞くという事です。これを聞き出すと、お客様がストレートに断りづらいから、建前の断わりで家族を持ち出しているだけという事が分かる場合が有ります。

以上の2つの事を確認して、無駄の無いクロージングを行ってもらえたらと思います。


6つの要諦
著者の紹介

「売りたい」を「買いたい」へ

第五の要諦: 『商品説明』



前回までの要諦で、お客様の心を開き目の前のお客様は買うであろうターゲットという事が分かりました。ここまで良い流れで話しが進んできたので有れば、商品説明より先の話しをマスターする事で契約の取りこぼしが無いようにしていきましょう。

前の要諦:『ターゲット』

まず商品説明のお話しに入る前に前提の認識としまして、2つの事をお伝えしておきます。
  • 話しを聞いて相手に合わせる。
  • 自信が必要。

話しを聞いて相手に合わせる
なぜ話しを聞かなければいけないのかと言いますと、第三の要諦でもお伝えしましたが人は自分に関係のない事にはほとんど興味が有りません。そこで相手の興味の無い話しを営業マンがしてしまうと、不快を与えてしまい一気に不成約の可能性が高まってしまいます。

よって、相手の興味が有りそうな方向へと商品の位置付けを合わせていかなければいけません。その為には相手の興味がどこなのかなどを聞き出さなければいけないのです。その上で商品の提案をします。ご自分の勧めている商品が相手の興味の無いものであっても、出来る限り話しをこじ付けてでも相手に合っているように思わせて提案をしなければいけません。

でなければ、お客様は自分の興味の無いもの必要の無いものを購入しようとは思わないわけです。


自信が必要
自信が無い状態でものを売ろうとしても、相手に商品の良さが伝わりません。良さが伝わらなければ売れる可能性が殆どないのです。どんなに話しが上手くても、良い話しをしても、商品の事が詳しくても、相手に良さそうだと思ってもらえません。
逆に自信を持って話しができれば、多少話しが分かりづらかったり言葉が間違えたりしても、相手に「良さそうだな」と思ってもらえるのです。

1つ質問ですが、
ご自分の販売している商品やサービスに自信は有りますか?

成績があまり良くない営業マンに有りがちなのですが、自社の商品やサービスの「悪い部分」ばかりを意識してしまってるかたがいます。そう思ってしまうと、本当の「良い部分」の事までも自信無く相手に伝えてしまうわけです。それではやはり売れないんです。
世の中には100%完璧な商品やサービスというものはございません。誰かにとって100%でも他の人には80%だったり、時期が過ぎれば100%じゃなくなったりしますよね。世の中の商品やサービスを見渡せば分かりますが、ものすごく良いものや自分にピッタリなものは有りますが、金額が高いとかも含めて誰にとっても100%完璧な商品というのはどこにも無いんです。

で有るならば、絶対的に自社商品の良いところばかりに目を向けて、自社の商品サービスが1番良いもので有ると勘違いをした者勝ちなんです。その為には、もちろん自社の商品サービスをしっかり勉強してその良さについて調べあげなければいけませんし、他社の商品なども研究して自社との違いを見つける事も大切です。

しかし万が一でも、ご自分の取り扱っている商品サービスはどう考えてもお客様の役に立つものでは無いとか全く良い部分が無いなどと結論付けるのであれば、扱う商品やサービスを変えるか、もしくは残念ですがこの営業職以外の仕事をご検討されたほうが良いかもしれません。


ここまでが前提知識です。

それでは商品説明のお話しをしていきます。
結論から言いますと商品説明は長々と話しをしてはいけません。出来る限り話しを短くまとめてください。時折り、話しを長くすればするほど相手との心の距離が縮まると思われている営業パーソンもいらっしゃいますが、基本的に営業のプロセスにおいて営業マンの話しが長くなって相手が喜ぶ事は有りませんので注意して頂けたらと思います。

なぜ長々と話しをしないほうが良いのかと言えば、何回もお伝えしてますが人は自分に関係の無い事に興味が無いという事と、興味が有る話しだとしても、人は話しを聞くよりも喋っていたほうが気持ちが満たされるのです。

つまりこの段階では、こちらがお勧めしようとしている商品やサービスに対して相手が興味を持っているのかもまだはっきりとは分かりませんので、そう言った意味でも話しを短くまとめなければならないのです。


次からは商品説明の3のステップの説明です。
  1. 最大のメリット
  2. 必要性の喚起
  3. 手に入れた先の話し

(ここから先は分かりやすいように自動車販売を例にしていきます)
最大のメリット
まずは興味を惹きましょう。その為には最大のメリットを簡潔にお伝えします。ここで興味を惹く事ができると、この後の商品説明がスムーズに進みますし、より相手が営業マンの説明に対して乗り気になってきます。

例えば、軽自動車で有れば「軽自動車なのに中は広々」「軽自動車なのにラグジュアリーな内装」などでしょうか。極端な例えですが、ファミリーカーなら「トイレが付いてます」とか、高級車なら「連動すると全ての操作がスマホで出来る」など。
ここで興味を惹けない無い場合は別のジャンルのものを勧めていきますが、扱っている商品や販売プロセスによっては、販売する商品が決まっていてジャンルの移行ができない場合も有ると思います。

ちなみに、商品説明に入る前に相手の興味や要望などが聞ける状況で有るなら、基本的には商品説明の前までに聞いておいて下さい。


必要性の喚起
より契約の確率を高める為には、お勧めしている商品サービスが「お客様にとって必要なんです」という事をはっきりと意識してもらわないといけません。「なんとなく必要なのかな」いうような軽く考えているレベルから、「これは私に必要だ」というはっきりと意識したレベルに引き上げる事が必要です。
その為には必要性の喚起をしなければいけないんですね。

例えば、軽自動車を勧めるとした場合「お客様のお宅の前の道路が狭いとおっしゃっていましたので、今回お子様の為に初めて購入されるお車は軽自動車が必要ではないでしょうか」とか、ファミリーカーを勧めるなら「今回ご結婚されるという事で、近々お子様を授かる可能性も有り、お爺様やお婆様とご一緒にお出掛けする事を考えると、広々とした大きなお車が必要ではないでしょうか」など、相手の状況や環境、家族構成などに合わせて必要性をお伝えする。お伝えというよりは、教えて差し上げるとか思い出してもらうというような感じかもしれません。


手に入れた先の話し
そして商品説明の最後には、この商品サービスを手に入れるとその先にどんな素敵な未来が有るのかという事を相手に想像して頂きます。お客様の頭の中で素晴らしい未来像をしっかりとイメージして頂けると、お客様のほうから買わせて欲しいという気持ちになりやすいです。
多分、誰もが一回はそのような経験をした事が有るのではないかと思いますが、金額は高めだしもしかしたら今は必要では無いのかもしれないけど、「でもどうしても欲しい!」と思って買ってしまった経験です。このような状態です。

例えば、ファミリーカーをお勧めしているとしたら「家族でお出掛けをして、広々とした大きな車でゆったりのんびり休日を満喫している姿」や、高級車をお勧めしているとすれば「街中を車で走っている時に、周りの人々から羨望の眼差しで見られている状況」などをイメージさせていくのです。
他には、実際に車に乗って運転をしてもらうとか、実際にデモ機やサンプルを試してもらうというのも購入後のイメージを膨らましてもらう為には有効的です。


ここまで順調に話しが進んできましたら、後はもうお客様に良いご決断をして頂けると思います。

まとめ
商品説明では基本的ないくつかのパターンが有り、そのパターン毎で話す内容は定型文のように毎回似たような内容になると思います。この項目の前半の方で説明した、「自信を持って話す」という事を実行してもらう為にも、ロープレが必要です。営業プロセスの全体的にですが、日頃の練習や訓練をどれだけしているかで相手に伝わる印象は変わります。会社でのロープレは少し気が引けるかもしれませんが、営業マンが何よりつらい事は契約が取れない事だと思いますので、是非勇気を出して妥協せずにロープレを実行して下さい。


・次の要諦:『クロージング』
6つの要諦

精神的な負担を減らしながら効率良く結果を出す

第四の要諦: 『ターゲット』



アプローチで心が開き始めたら、次は『ターゲット』の見極めです。このターゲットの見極めを飛ばして話しを先々へと進めてしまいますと、無駄な時間を余計に使ってしまいますし、精神的にも無駄な負担が増えてしまいます。

前の要諦:『アプローチ』

(この記事での『ターゲット』の定義ですが、申し込む可能性があるお客様をターゲットと称しております)

営業職で結果はそこそこ出ているのに辞めていくかたは、大体がこの『ターゲット』の見極めができていない為につらくなって辞めていってしまう場合が多いです。見極めができていないというよりも、そもそもターゲットという概念が無かったかたも多くいらっしゃいました。

営業経験が長いかたなら重々承知かと思いますが、営業で売り込みに行く先の相手には、申し込む人と申し込まない人がいますので、この事を心に留めておいてください。
ターゲットの見極めができていないと全ての人に全力で勝負をしてしまい、結果的に体力面でも精神面でも疲弊して次のお宅へ訪問する気力さえなくなってしまいます。

逆にターゲットの見極めができてしまえば、必要以上に疲れる事なく効率的に良い結果を出していけます。

では、どうやってターゲットを判断していくかを説明します。
ターゲットの見極め方は2パターン有ります。
 ・相手の断り方で判断。
 ・質問などをして相手の反応で判断。


相手の断り方で判断
まずは相手の断わりからどのようにターゲットを判別するかです。前項の『第一印象』や『アプローチ』でも断わりが来るとお話ししましたが、その断り方からもターゲットかどうかを判別する事ができます。
断ってくる理由は様々で建前(本心じゃない断わり)の断わりも有りますので、その理由自体で判別しづらいのですが、断り方の強さで判断する事ができるのです。断って来ている時の口調や表情などです。

基本的には断られている段階でその先へ話しを進めて行く事自体がすでに難しいのですが、ただ、断りの中には「購入する可能性は有るが断ってしまってる」場合が時々有るので、そこを見極める事によって、取りこぼしなく契約してもらい尚かつ無駄な事をしなくてすみます。

つまり、相手の断りのから見極めなければいけない事は、「断ってはいるけど、購入する可能性が有るかどうか?」です。断っているが購入する可能性が有る人というのは、本心では断ろうという気持ちがあまり無いので断り方が弱いのです。
「うちはいらないかなぁ」など、口調もそうですし語尾にも現れて来ますので、その辺りに意識を向けてしっかりと相手の思いを聞こうと努力をすれば、なんとなく察する事ができるはずです。


質問などをして相手の反応で判断
こちらから質問をする事によって相手は何かしらの反応をします。営業マンにとって都合の悪い反応をする場合も有れば、逆に営業マンにとって都合の良い反応をしてくださる場合も有ります。その相手の反応からターゲットかどうかを察していくというわけです。
これもまた相手の発する言葉だけでは判断がつきませ。「反応」ですので、喋り方、表情、前後の文脈、間なども含みます。ちなみにこれらを駆使して判断する為にも洞察力も必要です。洞察力というのは今日明日で直ぐに身に付かないかもしれませんが、常に意識していれば段々と身に付いてきます。


ではその「反応」をどうやって観察していくのかという事ですが、ますば「自分の会社、商品やサービスを知っているのかどうか?」という質問をしてみると良いと思います。この質問は相手も答えやすいですし、反応からの判断がしやすいのではないかと思います。
もしくは、売ろうとしている「商品やサービス、またはそれに似たようなものを使った事が有るのかどうか?」という質問も有効的だと思います。

そしてその反応ですが、
  • 相手がターゲットの可能性が有る場合は、きちんとその質問に関する答えが返ってきて、更には肯定的な返答で有れば尚更ターゲットの可能性は高くなります。
  • 逆に相手がターゲットの可能性が低い場合は、質問した内容とは違う話しを相手がしだしたり、否定的な答えが返って来たりします。

他にも相手の反応としては、ターゲットの可能性が有る場合は会話をしようという姿勢が有ったりしますし、ターゲットの可能性が無さそうな場合は表情が嫌そうだったりこちらから離れそようとほんの少しずつですが距離が遠くなっていったりします。場面毎で様々な状況になる事でしょうが、ターゲットで有る場合は「肯定的」ターゲットで無い場合は「否定的」な反応なので、肯定的か否定的かを表情などの様々な要素を含めて観察してください。

質問以外で相手の反応を見るやり方としては、チラシやパンフレット、商品サンプルをお渡しした時の反応だったり、デモ機などの使用やお試しを促した時の反応だったりて観察する事もできます。


ターゲットの見極めの前に
ここまでにターゲットの見極め方などのお話しをして来ましたが、ターゲットの見極めの正しい判断ができるのは、前項の要諦『第一印象』と『アプローチ』がしっかりとクリアできている事が条件となります。
そもそも第一印象とアプローチで失敗していれば相手がターゲットだったとしても、ターゲットではない反応をしますので、正しい判断はできません。

営業プロセスがアポイントを取り付けてから商談に行くという場合は特にですが、なかなかターゲットじゃない人ばかりにしか出会えないと感じているかたは、もしかしたら『第一印象』か『アプローチ』で失敗している可能性が高いです。
ちなみにアポを取ってから商談に行く場合は、殆どの相手がターゲットです。全く興味の無い人は基本的にアポにはならないのです。

この項目の『ターゲット』の見極めと言うのは効率良く営業を進めて行く為には必須なのですが、そもそもターゲットの見極めの前段階がしっかりできているのかという事も非常に重要です。前段階がしっかりとできていないのにターゲットの見極めをしてしまうと、逆に可能性の有るお客様を取りこぼしてしまうかもしれないという事は覚えておいて下さい。


番外編
ターゲットの見極めの番外編としまして、絶対に商談に時間を掛けないほうが良いのは、失礼ですが相手に支払い能力の無い場合です。相手に支払い能力が無い状態の時は、営業マンにはどうしてあげる事もできません。

しかし、相手に支払い能力が有るかどうかは単刀直入に質問して聞くわけにもいきませんし、支払い能力が本当に無いかたはその事をなかなか言い出しづらいものです。ですので正直なところこの判断をするのは意外と簡単では無いのです。
この事を判断しようと思ったら、相手の話しを注意深く聞いて、もし何かの会話から支払い能力が無いと分かれば、1秒でも早く失礼の無いように商談を終わらせる方向に誘導して、次の訪問へ急いだほうがよろしいかと思います。


ターゲットのリスト作り
最後にターゲットの見極めに関して、それぞれの企業でリストを作成する事をお勧め致します。
お客様が何と言って断るのか?どのような質問をすると見極めをしやすいのか?など、そう言った事は業種や販売している商品やサービス、営業プロセスに依存します。あっちの企業では上手くいっている事を別の企業でやると違う結果になるという事は往々にして有りますので、是非ともご自分の会社や扱っている商品やサービスに合ったやり方を試行錯誤で見つけ出してもらえたらと思います。
または企業内の営業パーソン同士でも共有してブラッシュアップしていくと、より良いターゲットリストが出来上がり更に効率が良くなる事でしょう。


まとめ
お客様に拒絶される事なく心の壁を開く作業が終わりましたら、1秒でも早くターゲットかどうかを見極めて下さい。ターゲットの見極めは、無駄な時間の削減とメンタルの無駄な消耗の削減に役立ちます。


・次の要諦:『商品説明』
6つの要諦

相手の心が開くまでのプロセス

第三の要諦: 『アプローチ』


営業においてのアプローチというと人によって受け取り方の違いが有りますので、この記事でお話しする『アプローチ』をまずは定義します。この記事でのアプローチとは、「第一印象が終わってから相手の心が開くまで」と定義します。

前の要諦:『第一印象』

第一印象では「自分自身の差別化」をして初対面の相手に拒絶されないという事をしました。
アプローチではその相手に対して、今度は心を開かせなければいけません。第一印象が終わった段階では初めて会った営業マンに対して、まだ心は閉した状態です。
この時、相手の頭の中で「なんて言って断ろうか」などと考えているかたもいます。この状況で商品の説明をしたり、商談に入ろうとするのはNGです。
これをやってしまう事は、出会ったばかりでまだお互いの事をよく分かっていない異性に、プロポーズをしてしまう様なものです。時期尚早ですね。焦ってはいけません。

このアプローチの段階では相手の心の壁を取り除かなければいけません。冒頭でアプローチは「心を開くまで」と定義しましたが、逆に相手の心を開かせる事ができなければアプローチは失敗なわけです。

では、どうやって相手の心を開いていけば良いのかというお話しをしていきます。

その前に、アプローチ以外の項目にも共通する重要なことをお伝えしておきます。
人は自分に関係する事には興味が有るが、自分に関係のない事には全くと言っていいほど興味が無いのです。
自分や自分の身内が困っていたり何か問題が有れば何とかしようと思いますが、知らない地域の知らない人がどんなに苦しんでいても実際に何かをしてあげる事はなかなか有りません。
これは、何より自分を守らなければいけないという人間の本能で仕方のない事ですので、人間にはこの様な傾向が有るという事を心に留めておいてください。

それではアプローチを失敗しない為のお話しをしていきますが、アプローチの要諦をお伝えする前にテクニックのほうを先に説明していきます。

アプローチのテクニックは次の3つです。
  • 自己開示
  • 褒める
  • 自社のデメリット
それぞれ解説していきます。


自己開示
自己開示とはそのままで、自分の事を相手に開示します。。自己開示で気をつけてほしいのは、相手は今のところ営業マンに特に興味が無いという事です。自分開示をしようとして、長々と喋ってしまうと逆効果になります。

ですので、自己開示は短くする。できたら15秒以内で終わらせてください。
開示する内容も簡単な事柄で構いません。
・自分はどこからきたのか。自分の年齢。
・飼っているペットの話し。
・家族の話し。
・趣味の話し。
などなど、なるべく相手に好印象を与える事柄を選んで簡単に伝えてください。長い話しは相手が嫌がりますので、簡潔に15秒以内で。


褒める
褒める事もテクニックとして有効では有りますが、少し注意が必要です。褒めるという行為は、一歩間違うと逆効果になってしまう可能性があります。「嘘くさいな」とか「売りたい為に言ってるな」などと思われると、相手が引いてしまう場合が有ります。

褒める時は、心の底から思ってますという雰囲気でさりげなく褒めると良いと思います。


自社のデメリット
自社の商品やサービスの良いところを一生懸命に伝える営業マンが殆どですので、それを逆手に取って意表をついて警戒を和らげるというやり方です。自社のデメリットを伝える際にはコツがいります。
デメリットはデメリットでも不成約につながるデメリットは伝えないほうが良いという事です。
どんなデメリットを伝えれば良いかと言いますと、デメリットの様に聞こえるけど実は大したデメリットではない事です。ゴールはあくまでも契約書にサインをしてもらう事です。それを踏まえた上で伝えるデメリットを選びましょう。


それでは次からは、
アプローチを成功させる為の要諦です。
  • 不快にさせない。
  • 断りに反応しすぎない。
  • 質問して相手に喋らせる。
この3つについて解説していきます。


◾️   不快にさせない
これは営業の商談の全てのプロセスで意識してほしい要諦です。
人間の判断は最終的に「良い」か「悪い」かの二択になります。不快を与えるというのはこの2択の「悪い」の判断をさせてしまうという事です。つまり相手に最終的に不成約を選ばる結果につながってしまうというわけです。

では、どのようにして相手に不快を与えないようにすれば良いのかという事ですが、そんなに難しい事ではありません。
先ほどもお話しした長々と自分の喋りたい話しをしないとか、そのような事に気をつけていれば大丈夫です。
・相手の興味の無い話しをしない。
・相手の言った事を否定しない。
・こちらの意見を押し付けない。
などです。大体これらのことをしてしまい、相手に不快を与えてしまうパターンが殆どです。

ただ、これらは簡単な人には簡単にできるのですが、これらがダメと分かっていても何回も繰り返してしまう営業パーソンもいらっしゃいます。
心当たりのあるかたは、メモ用紙などにこれらを記入して持ち歩き、「やってはいけないリスト」として常に見返せるようにして意識し続けなければいけません。

◾️   断りに反応しすぎない
先ほども述べましたが、このアプローチの段階でも断りは来ます。そして、その断りというのは、殆どが本気の断りでは無い場合が多いです。
「とりあえず断る」「よく分からないから断る」「必要の無いものを買わされそうだから断る」など、曖昧に断って来る場合が殆どです。
しかも相手の口から出でくる断り理由は、心で思ってる事とは別の言葉で出てきます。
「今忙しいので」「お金がないので」「必要ないので」など、その場で取りつくろった理由で断ってきます。
この断りに対して真剣に向き合ってしまうと、非常に精神的ダメージが大きくなってしまいますし、契約になるであろう人とも最後まで商談が進まなくなってしまいます。

では、これらの断りをどのように対処すれば良いのかと言いますと、「無視」してもらって構いません。極端に言いますと相手は嘘(嘘を付いている自覚は無いですが)をついて断っているわけですから、そこに対してこちらがどうこう言っても話しは噛み合いませんし、こちらが断りに怯むと分かれば相手は断り通して営業マンを帰らせようとします。

ですので、アプローチ段階の断りに対しては、軽くあいづちをして流してしまうか、もしくは都合の悪い事は聞こえてませんというくらいの気持ちで良いと思います。


◾️   質問をして相手に喋らせる
アプローチでは最終的に相手が心を開いたのかを確認したいですし、相手に気持ち良くなってもらう為にも喋らせなければいけません。喋ってもらう為には、質問をしなければいけません。質問の仕方は無限と言って良いくらいに数多く工夫できますから、色々と試行錯誤してみてください。

ここで、話しを雑談に持っていこうとする営業マンもいらっしゃいますが、雑談をするなら必ず相手が興味がありそうな話題を振ってください。玄関や家の中を見渡せば、大体のお宅や会社では、その人の興味がありそうな事のヒントが隠れています。
雑談は無理にする必要はありません。相手は、営業マンが来てるいう事は何かを売ろうとしているのは百も承知ですので、商品に関する質問をしてもそれは自然な流れなので何の問題もありません。

アプローチでは、相手が気持ち良く喋ってくれそうな話題を見つけて、質問できたら良いですね。


まとめ
始めのほうで述べたテクニックだけを駆使しても、よりアプローチは失敗しにくくなると思いますが、大事なのはテクニックよりもアプローチの3つの要諦です。特に相手を不快にさせないという事がもっとも重要と思ってください。
冒頭でもお伝えしましたが、相手は自分に関する事以外には殆ど関心がありません。相手の興味の無い事をこちらの都合で喋ったのでは、どんどんと相手との心の距離は遠ざかっていくばかりです。
是非、相手がどんな事に興味が有るのかを、真っ先に考えられる営業マンになってください。

ちなみに、心が開いてきたかの判断ですが相手が「自分の話し」をし始めたら、そろそろ心が開いてきたなと思ってください。


・次の要諦:『ターゲット』
6つの要諦

「お客様が断っている理由が全く分からない」それは第一印象の重要性を理解できていないのかも

第二の要諦: 『第一印象』


相手が断っている理由がまったく分からないという場合は、『第一印象』の重要性を理解できていない可能性が高いです。
第一印象というのは、相手(初めて会う人)と出会った瞬間からの約5秒間です。
約5秒という短い時間なのでそこが重要だとは気付きづらく、この第一印象が重要だと捉えている営業パーソンは少ないように感じます。

前の要諦:『準備』

もちろん第一印象の重要性を十分理解しているかたもいらっしゃるでしょうが、第一印象が初対面のお客様との最初の関門だということを改めて肝に銘じていただけたらと思います。
お客様とは、自己紹介やあいさつ、雑談、商談、クロージングなど、様々な会話をしていかなければなりません。
その様々な話しをする前に、この第一印象で好い印象を与えていないと、そのあとの会話がうわべだけの表面的な会話になってしまったり、本音を相手から引き出すことが非常に厳しくなります。

このうわべだけの会話というのが厄介で、これに気づかず(もしくは気付いてるけどどうしようもなく)話しが進んでいくと、最終的に「断られている理由が分からない」という状況になります。
「断られている理由が分からない」というのは、理由無く「いりません」などと断られたり、断ってる理由が話しを詰めていくと変わってきたりする場合などの状況です。

もうこうなってしまっては、お客様になぜ断るのかを聞いたところで本当の理由を教えてもらえることはありません。
とくに「あなたの第一印象が悪いんです」と教えてくださるかたは皆無ではないでしょうか。

ですので、この『第一印象』というのは、お客様に出会ってからまず一番目の関門であり、重要視するべきだということを頭に入れておいてください。
第一印象を好印象で突破することによって、その先の商談をスムーズに進めていけるわけです。

では、
・第一印象とは具体的になんなのか?
・どのように良くすればいいのか?
ということについてお話ししていきます。


第一印象には3つの流れがあります。
 1. 身だしなみ
 2. かもし出す雰囲気
 3. 第一声

この3つの流れのそれぞれの説明をします。


1.  身だしなみ
身だしなみというのは基本中の基本ですね。会社での研修などでも教わるかもしれませんが、基本的すぎるので会社などでは身だしなみについての指導に時間をたくさん費やすところはあまりないのではと思います。
身だしなみに関する書籍などweb上の記事などは数多くありますので、ご自分で調べたりしてしっかりと身につけていただく必要があると思います。

この身だしなみについて、どの業種でも共通している1番意識してほしい部分だけお伝えいたします。
それは『清潔感』です
シンプルですが、この清潔感を軸に身だしなみを整えていただくと大体間違えないと思います。
そして付け加えると、「清潔だね」と思うのは自分ではなく他人だということです。

例えば香水の匂いなどが分かりやすいと思いますが、自分では良いと思っていても周りの人が、その匂いによって不快に感じてることは非常に多いです。
他人の立場になるということが難しく感じる人もいるかもしれませんが、大事なことなので
「他人が清潔に感じるか」
是非これは、朝の身だしなみを整えるときに、毎日自分に問いかけてください。

次のような営業パーソンはいらっしゃらないでほしいのですが、
寝癖があったり、肩にフケがのってたり、無精ヒゲがあったりなど、このようなことは全くの問題外です。


2.  かもし出す雰囲気
雰囲気とはオーラとも言えると思います。
なんとなく「感じが良いなぁ」とか「なんか嫌な感じ」とか、微妙に感覚的に感じる部分です。
普段は微妙にしか感じていないので、なかなか自覚もしづらくて改善しにくいのでないかと思います。

では、具体的にどのような要素で雰囲気を相手が感じているのかと言いますと、
 ・姿勢
 ・表情
主にこの2つです。

姿勢とは立っている時の姿やお辞儀も含めた立ち居振る舞いなどで、気をつけをしている時に指先までまっすぐか、猫背になっていないか、体が斜めになってないか、一つひとつの動作が流れ作業になってだらしなく見えていないかなどです。

表情には目力(めぢから)も含まれます。
表情は普段、自分では見えないので、自分がどんな表情なのかを確認するのが少し難しいかもしれません。鏡やスマホのインカメラ(正面のカメラレンズ)を使って確認しましょう。

ちなみに表情は、頭のなかで何を考えているかも影響してきます。
「上手いこと言って契約させよう」とか「とりあえず笑顔出しとけば何とかなるでしょ」などとという考えは、少なからず表情を通して相手に伝わります。
もちろん笑顔も営業マンとして大事な要素ですが、とりあえず常に笑顔というのは逆に警戒される場合もあります。
目の前の人が営業マンに対して感じる印象は、今までにどんな営業マンから営業を受けたかによっても変わってくるのですが、笑顔が出過ぎているというだけで「何かを売りたいんでしょ」と思われ警戒される可能性もあることは覚えておいてください。

ではどんな表情が好ましいのかと言いますと、真剣な表情や熱心な表情というのが、相手の心を動かす営業において重要ではないかと思います。
実際に、「お客様のお役に立ちたい」とか「絶対に契約を取らなければいけない」などの相手の為にとか、どうしても願望を叶えたいという強い思いを持っていると、相手がつい心を許してしまうような表情が出できます。

自分自身がどんなキャラかにもよると思うので、色々と試行錯誤をして自分に合う雰囲気を見つけ出せると、かなり楽に第一印象を突破できるようになります。


3.  第一声
ほとんどの場合、第一声は『あいさつ』になると思います。一番最初に発する声の事です。
「こんにちは」とか「お世話になっております」などのあいさつですね。

この声についてですが、声の質によっても相手に与える印象は変わります。小さい声や上ずった声などは、あまり良い印象を与えません。良い印象を与えないというより、それだけで「この人の話しは聞きたくない」と思われてしまうこともあります。
自信のない声が出てしまっている営業マンは、なにか悪いことでもしにきたんじゃないかとという雰囲気を出しています。心では「お客様の為に」という思いだったとしても、声に自信がないだけで相手に不信感を与えてしまいます。

自信のない声を出してしまう営業マンにわりと共通しているのが、

  • 自分が売っている商品やサービスを良いと思っていない。
  • 羞恥心(恥ずかしさ)。
  • 断られたりした時などの余計な事を考えている。
などです。これらに当てはまるかたは、是非とも考えを改めて頂く必要があります。
では、好ましい声とはどんな声かと言いますと、ハリのある声です。
ハリのある声を出す為の一番簡単な方法は、朝のロープレ(本番を想定した仮想練習)で声を出すことです。
ハリのある声が出せるようになると、相手は気軽には断りづらくなるので、無駄に断られることが減ってきます。


まとめ
第一印象とは、ほんの短い時間で決まってしまいます。その短い時間で決まった印象がその後の長く大切な時間に影響を及ぼしますので、第一印象は営業マンにとって重要事項だということが分かって頂けたと思います。
最後に第一印象全体で意識してほしいことをお伝えします。
それは「差別化」です。
先ほども少しお伝えしましたが、営業マンに対して相手が受ける印象というのは、今までどんな営業マンに出会ったかといことに影響されます。ですので、いつも来る営業マンと同じ雰囲気をこちらが出していれば、お客様は特に興味を示しません。

誰も真似することのできない自分だけの特別な良い印象を相手に与えることができるようになると、営業という仕事が楽になるというと語弊があるかもしれませんが、更に楽しく感じられるようになるでしょう。


・次の要諦:『アプローチ』
6つの要諦

結果が出ない営業マンはなぜ時間がないのか? 行動し続けられないのか?

第一の要諦: 『準備』



準備をしっかりすることは、時間の効率化と行動し続けるために必要です。
準備を怠ると大切な時間を無駄にしてしまい、行動もできなくなるという悲惨な結末になってしまいます。

準備は次の3つの項目に分かれます。
  1. 「心の準備」
  2. 「スキルの準備」
  3. 「資料の準備」
それぞれの項目について説明していきましょう。

1.「心の準備」

  • まずはプラス思考にならなければいけない。
  • 次に夢を描き目標を具体的に設定する。
  • そして今日どのような結果を出すのかを、今日が始まる前に決めなければいけない。できれば前日のうちに。
・ プラス思考とは?
プラス思考とは営業マンにとって必須の考え方です。
マイナスな出来事をそのままマイナスとして受け止めてしまう事は、百害あって一利なしです。
たとえば、アフリカに靴を売りに行く営業マンの逸話は有名ですよね。
1人の営業マンは、アフリカの人たちが誰も靴を履いていないことを「ここでは靴は売れない」と言い、もう1人の営業マンは同じ光景を見て「ここでは靴がバカ売れする」と…
結果は、どちらの営業マンがたくさん靴を売るかは分かりますよね。

お客様からクレームを受けたことを失敗と考えるのか、至らなかったところを改善するチャンスと考えるのか。

商談が不成約で終わったことを失敗と捉えるのか、次への成長のための必要な出来事と捉えるのか。
その考え方や捉え方で、今後、成長できるかどうかが大きく変わっていきます。

プラス思考になるためには、日ごろから意識し続けなければいけません。

マイナス思考のかたはそれが癖になっていますから、すぐにプラス思考に切り替えようと思っても簡単にできることではないのですが、粘り強く意識して直そうと努力を続けていけば、必ず少しづつでも変化していきます。

ただ、時にはマイナス思考になってしっかり反省をしたほうが良い時もありますので、マイナス思考だから絶対にダメというわけでもありません。

・ 夢を描き目標を具体的に設定する

夢を描いてください。
夢を持たないというのは、生きている理由がないと言っても過言ではないと思います。
自分は何のためにこの世に生まれてきたのかという人生の目的は、自分自身で決めなければいけません。

そしてその夢を実現するためには、仕事での目標を達成していくことも重要です。

目標は今の自分の成績より、少し高い目標が良いと思います。
もちろんものすごく高い目標でも良いのですが、そのものすごく高い目標を諦めずに追い続けられる人と、高すぎる目標に挫折してしまう人もいるので、
高すぎる目標に挫折してしまいそうなかたは、まずは自分の今の成績の、1.1~1.2倍くらいの目標を設定すると良いと思います。

・ 前日の夜に決意する

「必ず目標を達成するぞ!」という強い意志や願望というのは、行動をおこす上でも大切な心構えです。
この強い思いがあるために、お客様に自社の商品やサービスの良さを熱心に伝えることができますし、
くじけそうになったり諦めそうになったりしたときに、不屈の精神をふり絞ることができるのです。

ただ、実は

その日が始まってから「今日は目標を達成するぞ!」と思っても少し遅いのです。
この強い意志が潜在意識に浸透して、無意識で果敢に行動、発言できるようにまるまでには何時間かのタイムラグがあるみたいです。

ですので「目標を達成するぞ!」という決意を前日の就寝前にやる習慣がつくと、翌日は無理に行動しようと意識しなくてもスムーズに体が動いてくれるはずです。




2.「スキルの準備」

守破離という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、この守破離は営業職にもあてはまります。

・ 型を覚える

徹底して型を守るためにも、まずは型を覚えなければいけません。
型というのは営業職において、営業パフォーマンスのプロセスやトークスクリプトなどのことです。
どのような流れで、どのような資料を使って何をしゃべるのかなどの商談、プレゼンの一連の流れのことです。

会社ごとでマニュアルなどが有るかと思うので、まずはそれを覚える。
マニュアルなどがなければ上司や先輩に聞いたり、作ってもらったりしてください。
それもできなければ自分で作るしかないのですが、営業経験が浅いかたには、売れるスクリプトを作り出すのは至難の業だと思います。
しかしそれも勉強なので、作って試して失敗を重ねてブラッシュアップしてみるのも良いかもしれません。

ただ、初めから自己流でやると、ほとんどがやることなすこと失敗だらけです。
ですので成功への近道はやはり、成功している人が近くにいらっしゃるのであれば、その真似をしたり教えてもらったりしたほうが効率は良いです。

・ ロープレをする
そして型を覚えたら、それを実践できなければ意味がないので、できるように(可能な限り余裕でできるように)なるために、練習、訓練が絶対不可欠です。
ロープレ(ロールプレイングといって、実際の現場を想定しての仮想演習)をして体に染みつけて、頭で考えなくてもそれが現場でできるようにならなければいけません。



3.「資料の準備」

この準備は、怠ると時間を一番無駄にしまう項目です。
事前に準備する資料は会社によって様々ですが、プレゼン資料(パワーポイントなどのデータ形式のものも含みます)、お客様情報、現地の地図、見込み客や訪問リスト、お客様にお渡しするパンフレットなどなどがあるのではないでしょうか。

これらの資料の準備はルーティン化をてして、いかに短時間で効率よくこなせるかが鍵になると思います。
当然、素晴らしくきれいで見やすい資料であればそれにこしたことはないと思いますが、営業マンのゴールは資料をきれいに作ることではないですよね。
あくまでも営業マンがしなければいけない仕事は、契約書にサインをもらってくることです。

ですので資料の準備はとにかく短時間で、できる限り無駄を省くことを常に心がけてください。
ルーティン化するためにも、資料の作り方や資料を用意する流れは紙に書き出して、その流れに沿って機械的にこなしていったほうが良いと思います。


・ 次の要諦: 『第一印象』
6つの要諦
著者の紹介

営業パーソンが本当に学ばなければいけない6つの要諦

何を学習すれば営業成績が伸びるのか? ※このブログに書かれている内容は基本的に、BtoC(個人宅への訪問での即決営業)をベースとした内容となっております。 まず始めに6つの要諦をここに記します。 準備 第一印象 アプローチ ターゲット 商品説明 ...