第二の要諦: 『第一印象』
相手が断っている理由がまったく分からないという場合は、『第一印象』の重要性を理解できていない可能性が高いです。
第一印象というのは、相手(初めて会う人)と出会った瞬間からの約5秒間です。
約5秒という短い時間なのでそこが重要だとは気付きづらく、この第一印象が重要だと捉えている営業パーソンは少ないように感じます。
( 前の要諦:『準備』)
もちろん第一印象の重要性を十分理解しているかたもいらっしゃるでしょうが、第一印象が初対面のお客様との最初の関門だということを改めて肝に銘じていただけたらと思います。
お客様とは、自己紹介やあいさつ、雑談、商談、クロージングなど、様々な会話をしていかなければなりません。
その様々な話しをする前に、この第一印象で好い印象を与えていないと、そのあとの会話がうわべだけの表面的な会話になってしまったり、本音を相手から引き出すことが非常に厳しくなります。
このうわべだけの会話というのが厄介で、これに気づかず(もしくは気付いてるけどどうしようもなく)話しが進んでいくと、最終的に「断られている理由が分からない」という状況になります。
「断られている理由が分からない」というのは、理由無く「いりません」などと断られたり、断ってる理由が話しを詰めていくと変わってきたりする場合などの状況です。
もうこうなってしまっては、お客様になぜ断るのかを聞いたところで本当の理由を教えてもらえることはありません。
とくに「あなたの第一印象が悪いんです」と教えてくださるかたは皆無ではないでしょうか。
ですので、この『第一印象』というのは、お客様に出会ってからまず一番目の関門であり、重要視するべきだということを頭に入れておいてください。
第一印象を好印象で突破することによって、その先の商談をスムーズに進めていけるわけです。
では、
・第一印象とは具体的になんなのか?
・どのように良くすればいいのか?
ということについてお話ししていきます。
第一印象には3つの流れがあります。
1. 身だしなみ
2. かもし出す雰囲気
3. 第一声
この3つの流れのそれぞれの説明をします。
1. 身だしなみ
身だしなみというのは基本中の基本ですね。会社での研修などでも教わるかもしれませんが、基本的すぎるので会社などでは身だしなみについての指導に時間をたくさん費やすところはあまりないのではと思います。
身だしなみに関する書籍などweb上の記事などは数多くありますので、ご自分で調べたりしてしっかりと身につけていただく必要があると思います。
この身だしなみについて、どの業種でも共通している1番意識してほしい部分だけお伝えいたします。
それは『清潔感』です。
シンプルですが、この清潔感を軸に身だしなみを整えていただくと大体間違えないと思います。
そして付け加えると、「清潔だね」と思うのは自分ではなく他人だということです。
例えば香水の匂いなどが分かりやすいと思いますが、自分では良いと思っていても周りの人が、その匂いによって不快に感じてることは非常に多いです。
他人の立場になるということが難しく感じる人もいるかもしれませんが、大事なことなので
「他人が清潔に感じるか」
是非これは、朝の身だしなみを整えるときに、毎日自分に問いかけてください。
次のような営業パーソンはいらっしゃらないでほしいのですが、
寝癖があったり、肩にフケがのってたり、無精ヒゲがあったりなど、このようなことは全くの問題外です。
2. かもし出す雰囲気
雰囲気とはオーラとも言えると思います。
なんとなく「感じが良いなぁ」とか「なんか嫌な感じ」とか、微妙に感覚的に感じる部分です。
普段は微妙にしか感じていないので、なかなか自覚もしづらくて改善しにくいのでないかと思います。
では、具体的にどのような要素で雰囲気を相手が感じているのかと言いますと、
・姿勢
・表情
主にこの2つです。
姿勢とは立っている時の姿やお辞儀も含めた立ち居振る舞いなどで、気をつけをしている時に指先までまっすぐか、猫背になっていないか、体が斜めになってないか、一つひとつの動作が流れ作業になってだらしなく見えていないかなどです。
表情には目力(めぢから)も含まれます。
表情は普段、自分では見えないので、自分がどんな表情なのかを確認するのが少し難しいかもしれません。鏡やスマホのインカメラ(正面のカメラレンズ)を使って確認しましょう。
ちなみに表情は、頭のなかで何を考えているかも影響してきます。
「上手いこと言って契約させよう」とか「とりあえず笑顔出しとけば何とかなるでしょ」などとという考えは、少なからず表情を通して相手に伝わります。
もちろん笑顔も営業マンとして大事な要素ですが、とりあえず常に笑顔というのは逆に警戒される場合もあります。
目の前の人が営業マンに対して感じる印象は、今までにどんな営業マンから営業を受けたかによっても変わってくるのですが、笑顔が出過ぎているというだけで「何かを売りたいんでしょ」と思われ警戒される可能性もあることは覚えておいてください。
ではどんな表情が好ましいのかと言いますと、真剣な表情や熱心な表情というのが、相手の心を動かす営業において重要ではないかと思います。
実際に、「お客様のお役に立ちたい」とか「絶対に契約を取らなければいけない」などの相手の為にとか、どうしても願望を叶えたいという強い思いを持っていると、相手がつい心を許してしまうような表情が出できます。
自分自身がどんなキャラかにもよると思うので、色々と試行錯誤をして自分に合う雰囲気を見つけ出せると、かなり楽に第一印象を突破できるようになります。
3. 第一声
ほとんどの場合、第一声は『あいさつ』になると思います。一番最初に発する声の事です。
「こんにちは」とか「お世話になっております」などのあいさつですね。
この声についてですが、声の質によっても相手に与える印象は変わります。小さい声や上ずった声などは、あまり良い印象を与えません。良い印象を与えないというより、それだけで「この人の話しは聞きたくない」と思われてしまうこともあります。
自信のない声が出てしまっている営業マンは、なにか悪いことでもしにきたんじゃないかとという雰囲気を出しています。心では「お客様の為に」という思いだったとしても、声に自信がないだけで相手に不信感を与えてしまいます。
自信のない声を出してしまう営業マンにわりと共通しているのが、
- 自分が売っている商品やサービスを良いと思っていない。
- 羞恥心(恥ずかしさ)。
- 断られたりした時などの余計な事を考えている。
では、好ましい声とはどんな声かと言いますと、ハリのある声です。
ハリのある声を出す為の一番簡単な方法は、朝のロープレ(本番を想定した仮想練習)で声を出すことです。
ハリのある声が出せるようになると、相手は気軽には断りづらくなるので、無駄に断られることが減ってきます。
まとめ
第一印象とは、ほんの短い時間で決まってしまいます。その短い時間で決まった印象がその後の長く大切な時間に影響を及ぼしますので、第一印象は営業マンにとって重要事項だということが分かって頂けたと思います。
最後に第一印象全体で意識してほしいことをお伝えします。
それは「差別化」です。
先ほども少しお伝えしましたが、営業マンに対して相手が受ける印象というのは、今までどんな営業マンに出会ったかといことに影響されます。ですので、いつも来る営業マンと同じ雰囲気をこちらが出していれば、お客様は特に興味を示しません。
誰も真似することのできない自分だけの特別な良い印象を相手に与えることができるようになると、営業という仕事が楽になるというと語弊があるかもしれませんが、更に楽しく感じられるようになるでしょう。
・次の要諦:『アプローチ』
・6つの要諦
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