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精神的な負担を減らしながら効率良く結果を出す

第四の要諦: 『ターゲット』



アプローチで心が開き始めたら、次は『ターゲット』の見極めです。このターゲットの見極めを飛ばして話しを先々へと進めてしまいますと、無駄な時間を余計に使ってしまいますし、精神的にも無駄な負担が増えてしまいます。

前の要諦:『アプローチ』

(この記事での『ターゲット』の定義ですが、申し込む可能性があるお客様をターゲットと称しております)

営業職で結果はそこそこ出ているのに辞めていくかたは、大体がこの『ターゲット』の見極めができていない為につらくなって辞めていってしまう場合が多いです。見極めができていないというよりも、そもそもターゲットという概念が無かったかたも多くいらっしゃいました。

営業経験が長いかたなら重々承知かと思いますが、営業で売り込みに行く先の相手には、申し込む人と申し込まない人がいますので、この事を心に留めておいてください。
ターゲットの見極めができていないと全ての人に全力で勝負をしてしまい、結果的に体力面でも精神面でも疲弊して次のお宅へ訪問する気力さえなくなってしまいます。

逆にターゲットの見極めができてしまえば、必要以上に疲れる事なく効率的に良い結果を出していけます。

では、どうやってターゲットを判断していくかを説明します。
ターゲットの見極め方は2パターン有ります。
 ・相手の断り方で判断。
 ・質問などをして相手の反応で判断。


相手の断り方で判断
まずは相手の断わりからどのようにターゲットを判別するかです。前項の『第一印象』や『アプローチ』でも断わりが来るとお話ししましたが、その断り方からもターゲットかどうかを判別する事ができます。
断ってくる理由は様々で建前(本心じゃない断わり)の断わりも有りますので、その理由自体で判別しづらいのですが、断り方の強さで判断する事ができるのです。断って来ている時の口調や表情などです。

基本的には断られている段階でその先へ話しを進めて行く事自体がすでに難しいのですが、ただ、断りの中には「購入する可能性は有るが断ってしまってる」場合が時々有るので、そこを見極める事によって、取りこぼしなく契約してもらい尚かつ無駄な事をしなくてすみます。

つまり、相手の断りのから見極めなければいけない事は、「断ってはいるけど、購入する可能性が有るかどうか?」です。断っているが購入する可能性が有る人というのは、本心では断ろうという気持ちがあまり無いので断り方が弱いのです。
「うちはいらないかなぁ」など、口調もそうですし語尾にも現れて来ますので、その辺りに意識を向けてしっかりと相手の思いを聞こうと努力をすれば、なんとなく察する事ができるはずです。


質問などをして相手の反応で判断
こちらから質問をする事によって相手は何かしらの反応をします。営業マンにとって都合の悪い反応をする場合も有れば、逆に営業マンにとって都合の良い反応をしてくださる場合も有ります。その相手の反応からターゲットかどうかを察していくというわけです。
これもまた相手の発する言葉だけでは判断がつきませ。「反応」ですので、喋り方、表情、前後の文脈、間なども含みます。ちなみにこれらを駆使して判断する為にも洞察力も必要です。洞察力というのは今日明日で直ぐに身に付かないかもしれませんが、常に意識していれば段々と身に付いてきます。


ではその「反応」をどうやって観察していくのかという事ですが、ますば「自分の会社、商品やサービスを知っているのかどうか?」という質問をしてみると良いと思います。この質問は相手も答えやすいですし、反応からの判断がしやすいのではないかと思います。
もしくは、売ろうとしている「商品やサービス、またはそれに似たようなものを使った事が有るのかどうか?」という質問も有効的だと思います。

そしてその反応ですが、
  • 相手がターゲットの可能性が有る場合は、きちんとその質問に関する答えが返ってきて、更には肯定的な返答で有れば尚更ターゲットの可能性は高くなります。
  • 逆に相手がターゲットの可能性が低い場合は、質問した内容とは違う話しを相手がしだしたり、否定的な答えが返って来たりします。

他にも相手の反応としては、ターゲットの可能性が有る場合は会話をしようという姿勢が有ったりしますし、ターゲットの可能性が無さそうな場合は表情が嫌そうだったりこちらから離れそようとほんの少しずつですが距離が遠くなっていったりします。場面毎で様々な状況になる事でしょうが、ターゲットで有る場合は「肯定的」ターゲットで無い場合は「否定的」な反応なので、肯定的か否定的かを表情などの様々な要素を含めて観察してください。

質問以外で相手の反応を見るやり方としては、チラシやパンフレット、商品サンプルをお渡しした時の反応だったり、デモ機などの使用やお試しを促した時の反応だったりて観察する事もできます。


ターゲットの見極めの前に
ここまでにターゲットの見極め方などのお話しをして来ましたが、ターゲットの見極めの正しい判断ができるのは、前項の要諦『第一印象』と『アプローチ』がしっかりとクリアできている事が条件となります。
そもそも第一印象とアプローチで失敗していれば相手がターゲットだったとしても、ターゲットではない反応をしますので、正しい判断はできません。

営業プロセスがアポイントを取り付けてから商談に行くという場合は特にですが、なかなかターゲットじゃない人ばかりにしか出会えないと感じているかたは、もしかしたら『第一印象』か『アプローチ』で失敗している可能性が高いです。
ちなみにアポを取ってから商談に行く場合は、殆どの相手がターゲットです。全く興味の無い人は基本的にアポにはならないのです。

この項目の『ターゲット』の見極めと言うのは効率良く営業を進めて行く為には必須なのですが、そもそもターゲットの見極めの前段階がしっかりできているのかという事も非常に重要です。前段階がしっかりとできていないのにターゲットの見極めをしてしまうと、逆に可能性の有るお客様を取りこぼしてしまうかもしれないという事は覚えておいて下さい。


番外編
ターゲットの見極めの番外編としまして、絶対に商談に時間を掛けないほうが良いのは、失礼ですが相手に支払い能力の無い場合です。相手に支払い能力が無い状態の時は、営業マンにはどうしてあげる事もできません。

しかし、相手に支払い能力が有るかどうかは単刀直入に質問して聞くわけにもいきませんし、支払い能力が本当に無いかたはその事をなかなか言い出しづらいものです。ですので正直なところこの判断をするのは意外と簡単では無いのです。
この事を判断しようと思ったら、相手の話しを注意深く聞いて、もし何かの会話から支払い能力が無いと分かれば、1秒でも早く失礼の無いように商談を終わらせる方向に誘導して、次の訪問へ急いだほうがよろしいかと思います。


ターゲットのリスト作り
最後にターゲットの見極めに関して、それぞれの企業でリストを作成する事をお勧め致します。
お客様が何と言って断るのか?どのような質問をすると見極めをしやすいのか?など、そう言った事は業種や販売している商品やサービス、営業プロセスに依存します。あっちの企業では上手くいっている事を別の企業でやると違う結果になるという事は往々にして有りますので、是非ともご自分の会社や扱っている商品やサービスに合ったやり方を試行錯誤で見つけ出してもらえたらと思います。
または企業内の営業パーソン同士でも共有してブラッシュアップしていくと、より良いターゲットリストが出来上がり更に効率が良くなる事でしょう。


まとめ
お客様に拒絶される事なく心の壁を開く作業が終わりましたら、1秒でも早くターゲットかどうかを見極めて下さい。ターゲットの見極めは、無駄な時間の削減とメンタルの無駄な消耗の削減に役立ちます。


・次の要諦:『商品説明』
6つの要諦

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